世界の気候変動が叫ばれるようになり、IPCCの温暖化レポートを元に我が国の温室効果ガスの排出目標などが設定されている。建築の熱環境評価には気象データを活用しなくてはならないが、気象データにおいて気候変動の影響を考量することが必要になってくる。EA気象データには2023 年現在、1981~2020 年の40年分の実在年EA気象データ、および10年または15年間のデータから作成された1995年版、2000年版、2010年版、2020年版の標準年EA気象データ、および2086年版将来標準年EA気象データが頒布されているが、気候変動を考えるうえでは40 年ではデータの期間がやや短い。そこで、本報では気象庁が公開している観測データ3)をWebスクレイピングにより収集し、それらのデータをもとに、都市の気候変動のうち、特に暑熱環境の変化を評価することを試みる。