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本研究は、日本の学校で英語の読解指導を受けてきた学習者を対象とし、そのつまずきの原因や背景についての示唆を得ることを目的とした。英検準2級~2級程度の平均的英語学力を持つ大学生を研究協力者として、アメリカの公民権運動に関する読解課題に取り組ませ、理解困難と認識された事項について言語面と内容面に分けて記述を求めた。この読みの困難さに関する記述データを質的に分析し、その原因や背景の特定を試みた。分析の結果、言語面については文法ルールの理解の不徹底や、単語の文中での使われ方について適切な判断ができないことを含む複数の要因が抽出された。内容面に関する分析からは、歴史や当時の社会状況についての背景知識の欠如など、言語的側面以外の要因が、英語の読解における致命的ハンディキャップとなっている可能性が示唆された。得られた示唆を踏まえて教育上の課題と期待される教育指導について考察された。 |