本研究では、ユーザが記載する計算機資源要求を受け付け、それら資源要求間で有限の計算機資源の調整・スケジューリングを行い、アクセラレータ等の計算機資源を動的に計算ノードに割り付けることで、それぞれの計算機資源要求および性能要求に合致したベアメタルクラウドをオンデマンドに構築・提供する技術を実現する。技術的には、申請者らが開発してきたユーザの資源要求に最適な計算機資源とネットワーク資源を動的に割り当てるジョブ管理フレームワークSDNJMSの資源割当機構を中核技術とし、クラウド管理ツールOpenStackおよびシステムハードウェア仮想化技術ExpEtherを連動させることにより、ユーザの多様なシステム構成要求に応じた動的資源割当を行うベアメタルクラウド構築手法および技術を確立する。このような研究目的に向け、2年目となる平成29年度は、前年度から継続となる「課題1. 計算機資源要求に基づく動的再構成フレームワークの設計と実装」に取り組み、後半期から「課題2. ユーザ資源要求に基づく計算機資源の多次元スケジューリング手法の考案」へ移行する。この研究計画に基づき、平成28年度は下記の(b)(b')(c)を推進した。
(b) 計算機資源要求に基づく動的再構成フレームワークの設計と実装: 本フェーズでは、計算機資源要求に基づいた資源割り当てシミュレータの開発を行った。
(b')コンテナ仮想技術採用時の技術検証: 本フェーズでは、動的再構成機能を有するベアメタルクラウドを構築するに際して、コンテナ仮想技術採用時の技術検証をおこなった。
(c) ユーザ資源要求に基づく計算機資源の多次元スケジューリング手法の考案: 本フェースでは、ユーザスループット最大化といった観点から、プロセッサ、複数の再構成可能資源をユーザの計算機要求資源に割り当てるスケジューリングアルゴリズムの設計を行なっている。