女子プロレス団体「スターダム」における観客動員数の増加要因に関する研究 −ファンへのインタビューを通して−
岡田 康太
日本の女子プロレス団体「スターダム」における2023年の年間観客動員数は10万人に迫り、同団体最多記録を更新し続けている。この観客動員数は、女子プロレス団体では1位、男女を合わせた全プロレス団体でも2位につけ、特に女子プロレス団体においては他の追随を許さない状況にある。プロレスのみならず、すべてのプロスポーツにおいて、安定した観客動員数を確保するためには、ファンを飽きさせない経営戦略の立案・実施は当然であるが、新規ファンを獲得するための経営戦略の立案・実施も重要である。そこで本研究では、スターダムにおける観客動員数の増加要因を明らかにすることを目的として調査・分析した。これを明らかにすることで、新規ファンの獲得や更なる観客動員数増加のための経営戦略の示唆を得ることができると考えた。先行研究を概観したが、プロレスファンに関する研究や女性スポーツのファンに関する研究はごく僅かであった。特に、近年注目を集めている女性スポーツのファンに関する研究の蓄積によって、女性スポーツ人気が更に高まるだけでなく、女性スポーツの地位向上や女性スポーツ選手が「稼げる」職業として女性の就職の選択肢に加わる可能性が高まると推測した。調査対象者はスターダムのファン5名であった。Facebookのスターダムファンが参加している複数のコミュニティで調査協力を依頼し、年齢や性別などの個人属性と、スターダムに関する質問(ファンになった経緯など)の回答をもとに調査対象者を選定した。2023年11 月から2024年2 月にかけて、スターダムのファンになった理由やスターダムの良いところ、今後のスターダムに期待することなどについて半構造化インタビューを実施した。インタビュー時間は65分から150分であった。インタビューデータを逐語録にしてテキストマイニングを行い、スターダムにおける観客動員数の増加要因について考察した。
日本体育・スポーツ・健康学会 第74回大会プログラム
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