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本研究では,通信サービス事業者とユーザが協調して通信品質を高める共創品質により,通信品質管理の課題を解決することを目的としている.今回,筆者らは772 名(うち有効回答数715 名)の男女を対象に通信接続の不調時にユーザがもつメンタルモデルを調査し,その特徴を類型化するとともに,類型化された各クラスタとユーザ行動パターン及びICT (Information and Communications Technology) に関する知識・経験との関係を分析した.メンタルモデルの類型化では,ユーザが作画した通信サービスの機器接続に関するイメージ図を構成要素の種類で分類した.その結果,参加者をメンタルモデルの特徴が異なる4 クラスタに分類でき,各クラスタとユーザの行動パターン及びICT に関する知識・経験の程度との間に相関があることが明らかになった.これより,通信サービス領域において,本論文でのアプローチがユーザのもつメンタルモデルをクラスタとして特徴づけるのに有効であることが示唆された.また,ICT リテラシーの程度に応じてメンタルモデルが異なる可能性が高いこと,メンタルモデルのクラスタが異なるユーザは通信不調時に異なる行動をとる可能性が高いことが分かった.以上の結果を踏まえ,本研究では通信サービスの設計基準を提案した. |