論文

基本情報

氏名 塚常 健太
氏名(カナ) ツカツネ ケンタ
氏名(英語) Tsukatsune Kenta
所属 経営学部 経営学科
職名 講師
researchmap研究者コード R000003894
researchmap機関 岡山理科大学

題名

名前に対する階層判断とソーシャル・テイスト : コンジョイント分析による推計

単著・共著の別

著者

塚常 健太

概要

近年、個性的な名前をめぐる論争が生じている。本稿では計量的手法を用いて、論争の背後にある名前のソーシャル・テイストを明らかにする。S. Lieberson のソーシャル・テイスト概念を理論的枠組みに据えるとともに、方法論としてはJ. K. Skipper の他者による主観的階級判断の研究を発展させ、コンジョイント分析(ランクロジットモデル)を適用する。
 まず調査対象者に複数の名前を提示し、その名前の当事者の社会階層を主観的に判断し、順位づけてもらった。この順位をデータとして分析した結果、名前以外の情報がなくとも他者は階層を判断するというSkipper の知見が支持された。ソーシャル・テイストとして想定した要因、すなわち名前の特徴(流行時期・難読性・性別推測困難性)の全てが階層の判断に影響を及ぼしており、特に流行時期が最も大きな影響を持っていた。また、各要因内の水準の影響力を比較すると、既存の命名規範から外れたものより従っているものが高く判断されるが、従っている中では一工夫あるものが最も高く判断されていた。さらにサンプルを分割して分析した結果、調査対象者の社会的属性、文化資本、内面化する共同体規範によっても判断のあり方は異なっていた。
 分析結果を踏まえると、ソーシャル・テイストは既存の規範への同化と、文化資本的な差異化という方向性が同時に希求される対象であるといえる。また、名前をめぐる論争は、自身の所属集団のテイストの許容範囲を超えた名前や、異なるテイストを持つ人間と出会った時に生じるものと考えられる。

発表雑誌等の名称

ソシオロジ

出版者

社会学研究会

60

1

開始ページ

43

終了ページ

61

発行又は発表の年月

2015/06

査読の有無

有り

招待の有無

無し

記述言語

日本語

掲載種別

ISSN

ID:DOI

ID:NAID(CiNiiのID)

ID:PMID

JGlobalID

arXiv ID

ORCIDのPut Code

DBLP ID