衛生的手洗い後の手指乾燥における布タオルの繰り返し使用とペーパータオルの使用について比較検討した。実験1では、ペーパータオル1、2あるいは3枚を用いて手指乾燥を行なった後の手指表面生菌数を手洗い前と比較した。実験2では、布タオルを繰り返し使用して手指乾燥を行なった1〜5人目の手指表面生菌数をそれぞれ手洗い前と比較した。ペーパータオル3枚を用いて手指乾燥を行なった場合のみ、手洗い前と比較して手指表面生菌数が有意に減少した。布タオルを用いて手指乾燥を行なった1人目の手指表面生菌数は、手洗い前と比較して有意に減少していたが、2、3および5人目では統計学的に有意な減少を認められなかった。結果より、飼育動物診療施設における衛生的手洗い後の手指乾燥では、ペーパータオルであれば3枚以上を、布タオルであれば1人目としてのみ使用することによって、手指表面の生菌数を有意に減少させられることが明らかとなった。