近世以前に導入された外来栽培植物の生産と栽培の現状を明らかにするため、バラ科木本植物29種の生産と流通について苗木栽培者に、また,
それらの樹種栽培の有無について公立植物園へ聞き取り調査を行った。その結果、コデマリやカリンなど11種は現在でも複数の栽培者によって生産または流通されていることが判明した。一方、マボケやワリンゴなど13種は生産または流通している栽培者が非常に少ないか全くいなかった。同様の状況は植物園でも見られる。特に、リンキ、ホンカイドウ、ロトウザクラ、サクライバラ、およびゴヤバラの国内栽培は現在では非常に稀かないしは存在しないと推定された。