この論文では、角度の指導に関する教育的課題を、小学校から大学に至る高等教育までの学習過程を俯瞰的に捉えて検討することを目的とする。特に、度数法から弧度法への移行と有理数では表現できない角の扱いに注目し、初等・中等教育における未習の角の概念が指導上の困難をもたらす一方で、大学段階においては微分積分学の学習と深く結びつく意義を持つことを指摘する。また、マラルディの角を題材として有理数では表せない角を考察し、角度表現と数概念の発展的理解を促す教材的可能性を探る。これにより、角度指導の課題を明らかにし、数学教育において、数の学習と角度の学習をより自然につなげる教育のあり方を提案する。