![]()
|
鳥取県では2012年以降,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)感染症清浄化対策を実施しており,多数の持続感染(PI)牛を摘発している.2016年1月から10月にかけてBVDV-1のPI牛が3農場で6頭摘発された.疫学調査の結果,6頭の母牛はほぼ同じ期間に県外の同一育成牧場へ預託されていたことが判明した.6頭中5頭から分離されたBVDVのE2遺伝子領域の分子系統樹解析では,5株はすべてBVDV-1cに分類され,株間の相同性は99.6〜99.9%であった.このことから,PI牛の母牛は預託期間中にBVDV-1cに感染し,帰還後にPI牛を産出したと推察された.県外預託牛由来PI牛によるBVDVの侵入パターンが示されたため,BVDV感染症清浄化には地域単位の対策だけでなく,国主導による全国的な対策が必要と考えられた. |