鳥取県のブロイラー農場にて, 2015年4月に死廃鶏の増加が見られた。死廃鶏の病態は脚弱や筋胃びらんなど様々であったが,ファブリキウス嚢 (F嚢)が萎縮している所見が共通して認められた。最終的に農場の死廃総数は飼養総羽数約11 万羽のうち 1万羽を越えた。この農場では今回の導入群から伝染性ファブリキウス嚢病 (IBD) 弱毒生ワクチンをひな用中等毒ワクチンに変更していた。このためワクチンの副反応を疑い,次回導入群からワクチン接種方法を変更したところ,死廃鶏数の減少が認められた。従来の報告どおり, IBDのワクチネーションには地域や農場の疾病流行状況を考慮することが重要と考えられた。