炭酸カルシウム表面に対するCd2+の吸着機構

川本大祐, 重富春輝, 横山崇

第82回分析化学討論会

日本分析化学会

茨城大学水戸キャンパス

土壌中に存在する炭酸塩鉱物と重金属イオンとの相互作用は、水圏における重金属イオンの移行挙動を制御する要因の1つであると考えられている。そのため、炭酸塩鉱物に対する様々な重金属イオンの吸着機構が研究されてきた。これまでの研究では重金属イオンの吸着挙動に影響を及ぼす因子の特定や吸着量の推定が行われてきたが、吸着した化学種の状態に関する報告はない。詳細な吸着機構を解明するためには、吸着した化学種の状態を解明することが非常に重要である。そこで本研究ではCaCO3に対する重金属イオンの吸着機構の解明を目的として、天然の炭酸塩鉱物中に多く含まれるCd2+を例にCaCO3に対する吸着挙動を調査し、吸着したCd2+化学種の状態分析を行った。