本研究の目的は,LLM(Large Language Model) を用いた授業の発話分析を通して新しい授業の発話分析の手法を検討することである。研究の方法として,小学校の現職教師による算数科の授業を録画後,文字起こしした発話プロトコルを用いて,「主体的・対話的で深い学び」の観点でラベリングを行った。ラベリングした発話プロトコルをLLMが学習しAIモデルを構築した後,「主体的・対話的で深い学び」に関する発話分析を行った。その結果,「主体的な学び」の判定はAIの判定の精度が比較的高くなりやすく,「対話的な学び」は「交流」「他の人」「相談」等の言葉によって判定されやすくなるのではないかと推察された。「深い学び」は教科固有の言葉が多く発話されることから,今後さらにデータの蓄積量を増加させ判定の精度を高める必要がある。