【目的】ウェルシュ菌付着因子の一つFbpDは、Pfamによりpeptidoglycanhydrolase(PGH)を有していることが予測された。先行研究により、組換え体FbpD(rFbpD)がPGH活性を有していることが分かった。本研究はrFbpDの至適pHの検討およびpeptidoglycan(PG)切断部位の特定を試みた。
【方法】1)pH4-9のdH2Oで懸濁した菌体へrFbpDまたは溶菌酵素の組換え体rAcpを加え、30分間37℃にて反応後、濁度を測定した。2)調製済PGと溶菌酵素Psmの反応物[PG+Psm]およびPGとPsmとrFbpDの反応物[PG+Psm+rFbpD]をLC/MSによって解析した。
【結果と考察】1)pH5-7において、rFbpD群が有意に濁度減少を示し、これらのpHがrFbpDの至適pHだと考えられた。2)[PG+Psm]および[PG+Psm+rFbpD]のpeak差は認められなかった。いずれの反応物も1888 m/zと1817 m/zにメインpeakが認められ、理論値(1957.95)と異なった。そのため、非特異的な切断が起こったと考えられた。