営業の経験学習がビジネスキャリアに与える影響についての考察(博士学位論文)
本下真次
本博士論文では、営業の経験学習によるビジネスキャリアに与える影響を研究している。顧客ニーズが多様化、複雑化し、製品による差別化が困難な状況において、企業と顧客をつなぐ存在である営業の役割は重要性を増しており、企業にとって、営業(担当者)をいかに成長させるかは極めて重要な経営課題である。その一方で、営業は属人的なセンスや、その成果ばかりが注目されてきた。また、これまでの営業研究では、経営者やマネジャーなど、管理側の視点でいかに営業を育成するかの観点が中心となっており、営業担当者自身の経験や組織学習からの成長プロセスの研究は十分とは言えない。営業担当者の営業経験による成長プロセスを明らかにし、営業担当者自身が学習することで、企業や組織の成長に寄与する気づきを得てもらうことを目的とする。