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Classification and Evaluation of Cause Attribution for Constructing Cognitive Model of Co-created Quality Process
社会のネットワーク化に伴い,通信品質管理の難題が次々と浮上する中で,品質向上に関する工学的研究の焦点はQoSからQoEへ移行してきた.近年ではQoEの先にある目標として,ユーザと事業者による共創品質が提唱されている.この共創品質の実現のためには,一般化可能な通信行動のモデルを構築する必要がある.そこで本研究では,認知主義的アプローチの一環であるHNIをフレームワークとし,共創品質過程の認知モデルの構築に向けた分析を行った.非常時のユーザの認知に着目し,通信不調が発生した場合の原因帰属を主な分析対象とした.まず,PCと携帯電話(MP)の不調について,質問紙で測定した原因帰属対象のパターンを潜在プロファイル分析(LPA)によって分類したところ,複数の類型(クラス)が得られた.更に,待ち時間に対する満足度を目的変数とする分散分析を実施したところ,原因帰属クラスによって待ち時間満足度に差が生じており,特に不調の原因を端末に帰属させるクラスの不満が高まりにくい傾向が確認された.以上の分析結果から,認知モデルの構築に向けて,原因帰属を考慮することが有用であると示された. |