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Yoichi Sakai, Tatsuru Kadota, Tetsuaki Kidera, Kotaro Sagara, Junya Shibata, Norio Shimizu, Tomohiro Takeyama, Osamu Fujita, Hiroaki Hashimoto and Kenji Gushima
トカラ列島は南西諸島から九州四国太平洋岸にかけて大きく変化する魚類群集構造を捉 える上で重要な地理的位置にあるが,浅海リーフの魚類相についての情報は乏しい。そこで2002, 2003年の10月において,広島大学練習船豊潮丸を使用し,トカラ構造海峡の南,トカラ列島北部に 位置する口之島,中之島の2島の浅海リーフにおいて,潜水センサス(のべ12-13時間)を実施し た。口之島では156種,中之島ではハマクマノミを含む113種,あわせて41科199種の魚類を確認し た。1種の温帯種をのぞき,すべて南西諸島に出現が認められている熱帯性魚種であった。中之島 で確認されたハマクマノミは,これまでの分布の北限を更新した。トカラ構造海峡より北の海域の リーフでは南日本温帯域を中心に分布する温帯性魚種が,熱帯性魚種とともに出現することが知ら れているが,トカラ構造海峡を境に以南は,温帯性魚類の出現が大きく減少することが示唆され た。 |