A Substantial Study of the ‘Teachers’ Utterance Approach’ which Promotes Students’ Independent and Interactive Deep Learning. ― A 5th Grade Science Class ‘ the Flow of the Rivers ’ ―
Yoshihiro FUJIMOTO, Yuri SATO, Hiromitsu MASUDA, Yasuhiko OGURA
主体的・対話的で深い学び,協働的な学習,発話,働きかけ 本研究は,小学校理科授業において,主体的・対話的で深い学びを促進するための,教師の発話による働きかけを明らかにすることを目的に行った。具体的には,小学校理科授業において,協働的な学習の場面を設計した指導案,教材・教具を同一にして,2名の熟達者教師の授業中の発話と班での協働的な学習の場面での児童の発話や協働性の意識を分析して,主体的・対話的で深い学びを促進する教師の働きかけを検討した。その結果,主体的・対話的で深い学びを促進するためには,「観察する方法を知る」場面では,観察に主体的に取り組めるように「探検調査隊」や「お出かけ」という発話による働きかけを行うこと,「観察する」場面では,問題を解決するためにチームワークが重要であると意識させるための「チームワーク」,「チームでかけ声」,「チームで相談」などの発話による働きかけを行うこと,「観察した結果を話し合う」場面では,他者と積極的に関わることを誘発するための「結果を共有」や「話し合いへ参加」及び,話し合う内容を確認して話し合いのきっかけをつくる上で大切な「話し合う内容の順序」に関する教師の発話による働きかけを行うことが重要であることが示唆された。
理科教育学研究
日本理科教育学会
Vol.58
No.2
1
15