マーモセットの腸管病原性大腸菌感染症の病態を解明することを目的に実験を行った。当該動物の様々な状態の糞便609検体に対して実施した疫学調査では、正常便の13.2%(41検体)、下痢便の19.5%(39検体)、血便の53%(52検体)で本菌が分離され、当該動物の血便症状に本菌が関与していることが示唆された。次に本菌は当該動物の出血性大腸炎の起因になるかを明らかにするために感染実験を実施した。2群(10^8ならびに10^4CFU/ml)、各群4匹の動物を設定した。その結果、高濃度群では2日目までに全個体に血便が確認された。このことから本菌は当該動物の出血性大腸炎の起因菌となることが明らかになった。