プロサッカーの試合では, ボールタッチベースのプレーデータと選手の動きに関するトラッキングデータが取得されている. 指導者や選手, ファンなどがそのデータを数値のままで利用することは難しいため, 専門家以外でもデータを扱いやすい形で可視化していくことが必要である. そこで, 本稿では国内外で行われているサッカーデータを可視化していく取り組み事例を示す. 国内ではJリーグのデータを用いてシュートチャンス創出に繋がるプレーや選手個人の特長を評価する指標が開発されている. 一方, 欧米においてはトップクラブのデータサイエンティストやサッカーアナリストらによるスペースの戦術的価値の可視化や, 大学と連携したデータ分析の教育活動などが行われている. サッカーデータがより有効活用されるために, データの専門家による可視化への取り組みは大きな価値がある.