ガボンにおいて地質調査を行い, 最古の真核生物化石を産する前期原生代堆積盆地の詳細な岩相・化石・化学層序を検討した. その結果, フランスヴィル地域において, 化石の堆積環境は比較的嫌気的だったことを明らかにした. また, ウラン濃集層由来の局所的な高放射線場が進化を促進した可能性を示唆した. ラストゥールヴィル地域では, 初めて連続的な炭素同位体比層序を確立し, 化石出現前後において炭素同位体比の負変動を検出した. これはグローバルなLomagundi Excursionの終焉に対応し, 真核生物の出現が海洋炭素循環を大きく変えた可能性を示唆した.