長野県大町市の西部には、地球で最も若い花崗岩露頭が分布し、今までに発見された一番若いものは、黒部川花崗岩体の中心部で約0.8 Maである。それより新しい花崗岩の発見を目標として、黒部川花崗岩体の南東部の、扇沢周辺の2ヶ所、大冷沢周辺の2ヶ所、龍神湖周辺の1ヶ所から、合計5つの花崗岩試料を採取し、ジルコンを分離してU-Pb年代測定を行った。今回の試料の中では、扇沢, 大冷沢の年代1.1 Maが最も若かったが、先行研究の0.8 Maほど若くはなかった。今後、黒部川花崗岩体の中心部から東側にかけての年代データが増えれば、さらに若い花崗岩が見つかる可能性がある。