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射影変換においては変換後の画素の生成のために座標の逆変換(座標計算)が必要であるが,正確な計算式により算出すると,その中に2変数双曲線関数が含まれているために計算時間が長くなってしまう.本論文ではこの座標計算を高速に実行することのできる一手法について述べている.まず,この計算式における双曲線関数を二つの1変数関数に分解したのち,各1変数関数をいくつかの区間に分解した上で更に各区間を異なる二次関数で近似している.次に,これらの二次関数群で双曲線関数を置き換えることによって,もとの計算式をこれらの二次関数と同数の近似的計算式群として表現し,更に,各変数の値が整数に限られることに着目して各計算式を変数の値に関する漸化式に変換している.各座標の座標計算は,この漸化式を利用して数個の既知の実数の和として実行している.最後に,本論文の手法を用いた場合,実用上十分な精度内での座標計算が従来法に比して少なくとも数倍の速度で実行できることを,計算機シミュレーションによって確かめている.
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II |