縄文時代におけるニワトコ果実の用途の推定
平岡 和, 那須 浩郎, 金子 明裕
エゾニワトコを主体とした配合での発酵では,アルコール濃度は 1% 未満だった。西洋のニワトコ属果実は食用・薬用へ利用される一方,日本のニワトコは枝葉の呪術・祭祀への利用が目立った。エゾニワトコはビタミン C,E を比較的多く含んでいることが明らかになった。以上の結果から,今後は縄文時代におけるニワトコ果実の用途を,ビタミン源としての食用と,呪術・祭祀への利用の 2 つの側面が考えられる。
植生史研究
第30巻
2号
71
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