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Model for subjective evaluation of video quality considering individual differences and interfactorial relationships
通信品質研究の焦点がQuality of ServiceからQuality of Experienceへと移行し,共創品質の概念も提唱されている現在,品質評価における個人差や,評価に影響するユーザの人的要因にも注目する必要性が高まっている.そこで本研究では,映像サービスを念頭に置いた主観評価実験を実施し,マルチレベル構造方程式モデリングを利用して,ユーザ間の個人差を多角的に反映した品質満足度のモデル化を行った.級内相関係数からは,満足度の値の変動のうち2割程度がユーザ間の個人差に起因し,8割程度がシステム要因(実験条件の変化)に起因することが示された.また,マルチレベル構造方程式モデリングの複数のモデルの適合度を比較した結果,ランダム切片に加えランダム傾きを考慮したモデルが採択され,品質の満足度に対する実験条件の影響の大きさにも個人差があることが示された.更に,ユーザ自身の人的要因として,画質または速度への選好も満足度に影響することが示された.一方,システム要因の頑健な影響から,Quality of Serviceの重要性も改めて確認された. |