本稿は日本の営業担当者の働き方を社内調整や顧客企業とのパイプ役と位置づけた前稿(本下, 佐藤2017)では分析することのできなかった問題を解明することを目的としている。その問題とは, 米国ではマーケティングが売る仕組みを作り,販売はその枠内で行動するのに対して, 日本では営業が上で説明したような広範な役割を演じているのはなぜなのか, また米国ではマーケティングと販売の対立が顕著であるが, 日本ではどのような状態で商品企画部と営業部が対立するのかという問題である。本稿では, その2 つの問題を明らかにすることができた。